秘密の日常

宇良乃のウラの顔 ※閲覧注意

新たに始まる

そこからまた私達は連絡を取り合い始めた。
何歳になったとか、今仕事は何してるとか、他愛もない会話を一日のうち数通していった。

連絡し始めて暫く経った真夏の休日、私のメンタルは少し落ちていた。
なんの刺激もない日常をつまらないと感じていた。

恥ずかしい話、あまり家庭が裕福でない。
専業主婦にはなれない性格ではあるけど、家事をこなしながらの正規雇用、要はがっつりの共働き。
結婚したら扶養に入って、週3辺りでパートでもしようなんて浅はかな期待をしてた。
それができない現状。
子供なんてもっての他。

私の中では随分前からそういう類いの不満が溜まっていた。
友達もそれぞれ子供ができた人も多く、そんな報告に落ち込む。

私は段々、旦那との情事が辛く感じるようになった。
とにかく痛くて、集中もできない。
前はそんなことなかったのに、病気にでもなったのかと不安になった。
何より楽しいとも良いとも感じない。
極力避けたいとさえ思う。

そんな中彼に癒しを求め、呟いた。
"秋辺りに旅行でもしたいなー。"

すると彼は"遊びに行こう"と言ってくれた。

正直迷った。
彼に会えば確実に旦那を裏切る。
彼を振り切る勇気は私にはない。

だから少し間をあけて"3ヵ月先辺りに"なんて曖昧な返事をした。
その3ヵ月の間にもしかしたらまた連絡が取れなくなるかもしれないし、なんて思って。

彼から帰ってきた言葉は、私のそんな気持ちを簡単に崩すものだった。

"3ヵ月先に宿を取ったよ。"