秘密の日常

宇良乃のウラの顔 ※閲覧注意

そのまた続き。

寂しい気持ちはあったけど、当時は決まった相手がいるよりも自由な日常が良かった。
彼には戻る場所がいつもあるわけだし、同じ時間を過ごしながらも諦めは常にあった。
だからわりと平気だった。

友達も多くて、毎日楽しくやってた。
そんな自由な生活を繰り返してくうちにやがて自分にも彼氏ができた。

軽い気持ちで付き合い始めた。
飾ることもなく気楽に付き合っていた。

その彼氏とは同棲を始めて、元々好きだった料理のレパートリーも増えた。
あまり甲斐性はない彼氏だけどそれなりに幸せだった。

数年が過ぎていく中で、私も未来を考えて真面目な仕事に就き、家族に紹介され、その彼氏と入籍した。

時代は変わりガラケースマホになった。
私も皆と同じようにアプリのツールで連絡を取るようになった。

するとそこに以前終わった彼が友達として追加された。
忘れたわけではなかった。
思い出したりすることもあった。
でも今更連絡なんて、できないよね…。
暫くは彼を見つけてからも連絡を取ることはなかった。

ある日、旧友との連絡が取れて久しぶりに会うことになった。
それをきっかけに昔の思い出に浸った。
この時に彼の事も考えた。

返ってこなくても、忘れててもいい。
元気にしてるかだけ聞いてみよう。
そう思ってしまった。

"久しぶり。
元気にしてますか?
誰か分かんないかな"

そんな内容を送信したと思う。
半ば諦めながら送ったのに、すぐに返事は来た。

"久しぶり。
元気だよ。
連絡くれてありがとう。"

私は当時の記憶を鮮明に思い出してしまった。