秘密の日常

宇良乃のウラの顔 ※閲覧注意

再会

私はその時、その日が訪れるのが怖かった。
そんな反面、すごくドキドキもした。

私は自分で仕掛けた罠に嵌まった。
その3ヵ月間は期待と不安に苛まれ続けることになる。

3ヵ月の間に連絡が途絶えることなどなかった。
以前より連絡への執着はなくなったため毎日ではなかったが、返さないことも返ってこないこともなかった。

忙しい日常を繰返し、ついに一週間前へと時は進んでしまう。
夫にはずっと言えずにその日のことを黙っていた。
嘘の理由もあれこれ考え、日頃からよく家に帰らないスタンスを取っていれば良かったとも思った。

夫への報告も切り抜け、その日を迎えた。

移動時間はそれなりに長かった。
数年ぶりの再会に緊張が走る。
そのため自分が思うよりも時の流れは早く、あっという間に目的地に辿り着いた。

改札を抜けてスマホを開く。
"着いたよ"と連絡しようとしたその時、私のキャリーバッグが引きずられた。

顔を上げると数年前と変わりのない彼が、私を見ている。

「お疲れさま。
久しぶりだね。」

私は戸惑いながらも笑い返した。