秘密の日常

宇良乃のウラの顔 ※閲覧注意

また離れ離れ

彼を隣に感じることも束の間、私達は駅に向かった。
日の傾いた暗い車内でふいにキスをされる。

"またすぐ会えるよ"

彼はそう言って笑ったけど、私は固い表情で頷くことしかできなかった。

そうして私達はまた日常に戻る。
その後の連絡はいつもよりも盛り上がった。

ところが次の日仕事の合間に連絡を確認すると嫁に感づかれているという内容だった。
そこから連絡の時間に制限がかかった。

家に居ない時間にしかやりとりはできない。
私の中で彼は大きな存在に戻りつつあるのに、彼への壁は厚くなってしまう。

以前関係を持っていたときはこんなにも考えることはなかったかもしれない。
どうして今更、彼を思ってしまうんだろう。