秘密の日常

宇良乃のウラの顔 ※閲覧注意

その続き。

それから私と彼の関係は一年ほど続いた。

そんなある日突然、連絡が途絶えた。
仕事の忙しさで不安を誤魔化し、連絡をただ持った。

数日後ようやく連絡がきた。
"嫁にバレた"
私はどうしようかと考えることしかできなかった。

当時私のことは男性の名前で登録していたらしい。
たまに奥様は彼の携帯を、彼の寝ている間にチェックすることがあったとか。
その時彼は私とのメールを残したままだった。
夜中に起こされ説明しろと詰められたと彼は言っていた。

それがあってから私も気まずくなり連絡を控えるようになった。
彼もまた私への連絡を控えていた。

段々と距離が遠ざかる。
この時にすっぱりやめていれば良かったんだよね、多分。

彼が家庭を大事に思っていることはいくらでも分かった。
そもそも不倫をするような、そんな人ではないのかもしれないとさえ思う。

好きだなんてお互い口にしたことは一度だってない。
それでも、私は彼が離れていくのが悲しかった。

始まりもふわふわとしている私達の関係は、終わりを感じることなく終わっていった。
気持ちが離れたかどうかなんて、一般の物差しでは測れない。
そもそも彼に気持ちがあったのかも怖くて聞けない。
聞いたところで、そんな安い好きなんて言わないだろうし、私も言われたくなかったかもしれない。

もやもやは暫く続いたけど、距離は遠くなっていくばかりだった。

そんな最中起こった東日本大震災
久しぶりにお互いの安否を確認するため連絡を取った。
それを最後に、私達は終わった。